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武術秘伝書夢世界第七十一話 【絵本二島英雄記】
江戸期の古文献に日本武術の最終奥義「合氣」のワードを発見し、合氣之術の淵源の古さに驚嘆す
百戦百勝の武術極意を会得するのは天下の剣豪、宮本武蔵がやはり相応しいと言う話
日本武道の究極奥義だと言う合氣――。しかしそんなものは所詮明治以降の講談小説や奇しげな通俗武術極意本等で唱えられたテーゼに過ぎないという論がある。つまり正統な武術文化の中に元々存在した技術傳ではなく、逆に武術用語としては寧ろネガティブな意味合いで用いられたものであったというのである。
確かに「合氣」は一刀流や柳生心眼流、天神真楊流等の文献でも見受けられる言葉であるが、その意味合いは多くの場合、敵との膠着状態を表現した単語であり、これでは武術極意どころの騒ぎではなかっただろう。故にこそ江戸期には合氣を冠した武術は存在せず、明治以降にこそ合氣を表看板にした武術文化が醸成していったということなのだろう。
しかしながら江戸期の古文献を精査してみると武術極意としての「合氣」が明治以降の産物とは必ずしも言い切れない不思議な著述に行き当たるのである。夢語人が剣豪、宮本武蔵の本質を追求する為に武蔵文献を渉猟していたおり、江戸期の武蔵を主人公とする小説の中にズバリ武術極意としての「合氣」のことが明確に記載されている事に気がついたのである。その古文献とは江戸後期の講談小説『絵本二島英雄記』であるが、まずは原文にあたってみよう。
「武芸には相氣(ルビ・あいき)といふものありて、この相氣をだに得るときは百発百中千発千中、さらに勝を取らずといふ事なし……」
どうだろう。これは正しく武術極意としての「合氣」そのものである(原文では「相氣」となっているが、江戸期の表記としては同質のものと考えて良い)。そしてまた「相氣の術」「相氣の道」という様な表記まであるのである。この文献は宮本無三四の敵討ちを描いた講談小説で、敵を討つ為に武者修行に出立し、その果てに山奥で笠原新三郎という老武術家から武芸の奥秘を学ぶという筋立てであり、その武術極意の名称として「相氣」の用語を用いているわけである。それはどんなものかと言えば物語では木刀で打ちかかる武蔵を笠原名人は鍋蓋で難なく武蔵を抑えてしまう秘技として描かれている。ただ勿論その鍋蓋術が「合氣」だということではなく、鍋蓋のようなものを用いても、それに氣を通わせる事により、強力の者の力を無力化して敵を制する妙術をいうのであろう思われる。原文では次の様に説明しているのである。
「是によって人と仕合をするに人氣の起る所を知り、其剣の何れより来る、何れを打んとするといふ事、玉壺(ルビ・フラスコ)の中を見るより易し……」
正しくこれは現代にも通ずる合氣の極意そのものではないかと思うのである。
講談小説上の話ではあるが、日本では二百年以上前からこのような合氣極意が語られていた事、これは驚きの上にも驚きを重ねるべき事項なのではなかろうか。日本傳合氣極意の淵源――それはどこまで深いものであったのだろうか。ひょっとしたら不立文字の手継ぎ教傳を通じ、日本武術の深いところでは神代から伝え継がれてきた秘法中の秘法であったのかも……?
今回開けた楽しい講談絵本を基に読者にはかくした古代世界の合氣の秘儀にまで思いを飛ばせて頂きたいと思う。

●解題
今回の資料は武術伝書でも武術文献でもなく単なる江戸期の小説本である。武術秘伝書という範疇を少し外れているが、内容的にかなり驚愕の部分があるので、「秘伝書」というものを江戸期の古文献という広い意味に捉え、今回例外的に紹介してみた。本書は享和三年(1802)に刊行された講談小説であり十巻ものの挿絵入り版本である。七巻目に武術極意としての「相氣」の言葉が現れている。題名の意味合いには若干疑問があり、これは『二刀英雄記』の意味合いを替字で表現したものかと思われる。また「フラスコ」というポルトガル語を利用している事も興味深い。それはともあれ、この時期に武術極意としての「相氣の術」という言葉が現れ、講談の世界に語り継がれ、それが明治二十五年刊行の『武道秘訣合氣之術』(武骨居士著)に結実したと考察することが出来るだろう。但し武術極意という意味合いとは少し違うが、「合氣之術」というワードは実を言えばある流儀の武術伝書に享和年間以前、既に存在しており、両者の関係はまた稿を改めて考証したいと思う。

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